独白アフタータッチ

ひねくれ者のひとりごと

【015】久闊 - 散文オブ四月

 

 本を読んで、映画を見て、漫画を読んで、物語に触れたとき、面白かった・つまらなかったという感じたままの“ほんもの”の感情が、あの手この手で言葉に変換した途端“にせもの”になる気がした。
そんなこんなで、あれこれ言うのが野暮だと思っていたから、不定型でピントの合わない感情を持って満足していた時期があった。

 

しかし、それでは何が琴線に触れたのかということが、時間の経過と共に薄れていき、他ならぬ自分自身としても分からなくなってしまうのに気が付いたのも、割合最近の話。

 

 読書感想文が苦手な子供だった。
重ねて夏の課題の一行日記の類いも完走したことのない私としてはもはや、「文章を重ねる行為」がダメなのか、「感想を述べる行為」がダメなのか、「夏の課題」がダメなのか、判断することすら敵わなかった。

 

まだまだ暑い日の続く二学期の頭、放課後の教室で夏の日記を一行ずつ埋めていた。居残り常習だった。一日一言でも書けていれば……と後悔しながら、夏休みを閉じる作業に勤しんでいた。

 

 読書感想文について言えば、別に本を読むことが苦手だったわけではなくて、「この本を読んであなたはどう思いましたか?」という読書感想文的な、読書感想文たらしめる要素が苦手だった。

 

どう思いましたか? って聞かれたら、そりゃあまあ、究極的には面白かったか、面白くなかったかという話で、それ以上でも以下でもないと本気で思っていたし、なにより感想文の出来によって読書した事実そのものまで否定されたり肯定されたりするのが気に入らなかった。

 

 今となっては、「まあ読書感想文ってそういうもんだし」という諦観めいたものがあり、なんならインターネットの隅でこんな駄文を綴っているくらいだから、感想文という課題も悪くはなかったかもしれない、とかなんとか思っている。

 

 それはそれとして、今の自分としても、一冊をきちんと読んでみようかなと思いたったので、気になった箇所に付箋を貼って、後から見直してみるなどをした。

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横の付箋はインデックスのつもり
(対談集なのでそれぞれの冒頭に)

 そうすると、全部が同じ水準で己の中に響いていたと思っていたものも、よくよく読み返すと共感度にはグラデーションがあり、一冊の中で特に「これは」という箇所に関しては、本当にごく一部だった。しかしそれは決して悲観的なことではなく、むしろ喜ばしいことだった。

 

 しっかり頭を整理したことで読後の感情に迷いがなく、「なんかよかった」という曖昧さもなかった。付箋を貼って、(付箋の箇所を)読み返して、紙に書き出してみて、そこから「これは」というものを見つけて——。

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こんな感じで書き出してみて「これは」という部分にはマーカーを引きました
(字が汚いのでモザイク)

 たったこれだけのことで、こんなにも読書とは変わるものかと驚いた。なんなら少し感動したし、これを小学生の頃に会得できていれば良かっただろうな……と思った。
感動は確かにしたけれど——とても面倒だったから、色々良い感じに忘れるまでやりません。
……めちゃくちゃめんどかったし(たのしかったけど)!

 

 雰囲気で感じる楽しさというのも確実にあるし、必ずしも全てをはっきりさせなくてもいいのかな、気が向いたらたまにやるくらいでいいのかな、ということにしておきましょう。
疲れちゃうしね。

 

~~~

 

どことなく物語調な冒頭になってしまって、「別にダメじゃないんだけれど、なんかこう“ブログっぽい”ものではないな……」と思いながらも、とりあえず書き切ってみればこれでいいような気持ちでいっぱいでした。本当にこれでいいのか……? 
楽しければいいことにします。

 

 本文に写真で登場した本は、
西尾維新 (2016), 西尾維新対談集 本題, 講談社

bookclub.kodansha.co.jpという西尾維新の対談集です。

 

話があらぬ方へ脱線したり、逆に深く深く対話が続いたり、本音っぽい話を本音のトーンで話していたり、通常のインタビューでは見ることのない会話が続いて非常に面白いのでオススメです。
読めば読むほど700円という価格設定で本当に合ってる????? もっと払わせて???? という気持ちになるので、とても得した気持ちになります。
(付箋貼って別紙にメモまでした本の紹介とは思えないくらい中身なくてウケる……;;)

 

別の機会でしっかり内容についての感想を書ければと思っています。というか書きたい。

 

またいつかお目にかかりましょう。では。

 

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